リフォーム工事前のアスベスト調査が義務化!一般的な流れをチェック
建物を所有していると、老朽化などが理由で、リフォームが必要になってきます。家をきれいにすると同じ建物とは思えないくらいになるため、楽しみにしている方も多いのではないでしょうか?しかし、近年、リフォーム工事にはアスベスト調査が必要です。そこで、工事前の調査や一般的な流れについて詳しく解説します。
そもそもアスベストとは?
アスベストとは、「いしわた」や「せきめん」と呼ばれている繊維状けい酸塩鉱物のことです。使われていることが必ずしも危険というわけではありません。以前は、各建築において、スレート材をはじめ、保温、断熱、防音などの目的で盛んに使われていました。
しかし、アスベストは非常に繊維が細かいため、何らかの原因で飛び散ると吸引する危険性があります。たとえば、研磨や切断が行われる現場や、アスベストを使った建物の取り壊しは非常に飛び散るため、吸引する可能性を否定できません。
そこで労働上、大気汚染、そして廃棄や処理の観点から原則不可となり、扱う場合は飛散防止対策が施されるようになりました。1975年には、建築などで行われるアスベストの吹き付けが原則禁止、その後は製造なども原則禁止になっています。
病気になるリスクがある
世界保健機関(WHO)によると、アスベストを吸引した場合、肺線維症や悪性中皮腫になる原因をつくり、肺がんのリスクが高くなると考えられています。ただし、こういった健康上の被害はただちに表れるとは限りません。長い年月を経てから発症するといわれており、中皮症などの場合は、平均すると35年前後で発症する方が多いようです。
じわりじわりと身体に悪影響を与える点では、危険な存在といえるでしょう。そのため、過去に扱っていた方や、現在も扱っている方などは定期的な健康診断が勧められています。また、現在扱っている事業者に対しては、健康診断の義務が課せられているので要注意です。
リフォーム工事前のアスベスト調査が義務化!
アスベストは、すでに製造や処理において原則禁止です。しかし、2022年4月より、あらたにリフォーム工事前のアスベスト調査も義務化されました。
なぜなら、必ずしも目で確認できるものばかりとは限らないからです。たとえば住居の場合は、壁や天井で使われるケースが多いのですが、調べてみるとパテ材や接着剤にも使われていことがあります。
もし、工事を行う際に、アスベストが入っていることを知らなかったらどうなるでしょうか。工事に関わる作業員の方はもちろんですが、工事完了後に住む方も吸引する危険性が出てきます。
アスベストが使われている可能性が高い場所
一般的には、台所や浴室にはアスベスト含有の資材が入っている可能性が高いといわれています。ただし、アスベストは前述の通り、保温、断熱、防音に優れている素材です。台所や浴室だけに使われているとは限りません。タイル目地にも含まれていることもあるようですが、こういった場所はしっかりした調査でない限り、みつけることは難しいでしょう。
リフォーム工事前のアスベスト調査の一般的な流れ
事前に行われるアスベスト調査は、書類や現地調査などさまざまな手続きを行います。そこで、書類調査をはじめ、各手続きをひとつずつ確認しておきましょう。
書類による調査
家のどこかの場所でアスベストがないかを、書類上で確認していきます。必要な書類は住宅やマンションなどの設計図をはじめ、使われている資材などです。資材については、書面上の確認だけではありません。実際にデータベースを活用し、資材に含まれていないことを確認します。
また、各調査に関係ないように思えますが、工事の着工日も確認事項の一つです。住宅やマンションによっては、設計図の所在が分からないケースも少なくありません。万が一、手元にない場合は、管理組合などに問い合わせ保管場所を確認しておきましょう。
実際の建物などを調査し分析する
すべての書類調査が完了したら、次は実際の建物を調べます。建物については、目視だけでなくサンプルを採取して調べます。どのようなところを採取するのか、そして調査するのかが気になるときは、調査前に確認しておきましょう。また、採取した検体は、単純にアスベストの有無を確認し種類を判別する定性分析と、含有率を調べる定量分析の両方を実施します。
調査報告書作成
書類および現地調査、そして分析が終了すれば、次は調査報告書の作成です。調査報告書には、3段階のレベルから危険性を判断しており、アスベストの種類や検出箇所も一緒に記載します。ちなみに最も危険性が高いのはレベル1で、アスベストが含まれる吹き付け材などが該当します。
リフォーム工事は、2022年4月よりアスベストの調査が義務化されました。アスベストは、知識がなければ、どのようなところに使用されているのかは分かりません。万が一、アスベストが資材などに入っていた場合は、飛び散ることにより健康に悪影響を与える可能性があるので要注意です。また、新しく義務化された項目ですから、工事を検討する段階でどのような調査を行うのかをしっかり覚えておきましょう。
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