バリアフリーリフォームをする際の工事内容やポイントとは?

公開日:2024/07/15  

バリアフリーリフォーム

 

高齢者や障がい者が安心して暮らせる住環境を実現するために、バリアフリーリフォームは重要です。自宅の各所を改修し、段差の解消や手すりの設置など、生活の質を向上させるための工夫が求められます。本記事では、具体的な工事内容や押さえておくべきポイントについて解説し、安全で快適な住まい作りのヒントをみていきましょう。

バリアフリーリフォームの主な工事内容

バリアフリーリフォームは、高齢者や障がい者が自宅で安全に快適に過ごせるようにするために行うリフォームのことです。以下に、主な工事内容について解説します。

手すりの設置

手すりの設置は、バリアフリーリフォームにおいてもっとも多く選ばれる工事です。手すりは、階段や廊下、浴室、トイレなど、歩行や立ち上がりに支えが必要な場所に設置します。手すりの高さや位置は使用者の身体状況に合わせて調整することが大切です。

また、握りやすさや滑りにくさも考慮し、適切な材質を選びましょう。手すりがあることで、移動の際の転倒リスクを大幅に軽減できます。

段差を解消する

家庭内の段差を解消することも、バリアフリーリフォームのポイントです。玄関や室内の段差は、つまずきや転倒の原因となるため、スロープや段差のないフラットな床に改修することがおすすめされています。

スロープを設置する場合、勾配は緩やかにし、車椅子や歩行補助具を使用する方でも安全に移動できるようにしましょう。床をフラットにすることで、日常生活の動線がスムーズになり、安全性が向上します。

滑りにくい床にする

床の滑りやすさも、バリアフリーリフォームで考慮すべき重要な点です。とくに浴室やキッチンなど、水や油で滑りやすくなる場所では、滑りにくい床材を使用することが効果的。タイルやフローリングの表面に滑り止め加工を施すか、滑りにくい素材のカーペットやマットを敷くことで、転倒事故を防ぎます。

また、リビングや寝室などの床材も、柔らかくクッション性のある素材を選ぶことで、万が一の転倒時の衝撃を和らげることができるのでおすすめです。

ドアを引き戸に変更する

ドアを引き戸へ変更することも、バリアフリーリフォームでよく選ばれる工事です。通常の開き戸は、開閉時に広いスペースを必要とし、車椅子や歩行器を使用している場合、通行の妨げになることがあります。

一方、引き戸は開閉にスペースを取らないため、狭い場所でもスムーズに出入りできるのです。また、引き戸には自動開閉機能を追加することも可能で、手が不自由な方や力の弱い方でも簡単に使用できます。

バリアフリーリフォームを検討するタイミング

バリアフリーリフォームは、将来のことを考えて少し早めに行うことが理想的です。こちらでは、バリアフリーリフォームを検討する具体的なタイミングについてくわしく解説します。

60歳以上になったとき

60歳以上になると、身体の機能が次第におとろえはじめ、日常生活のなかで不便を感じる場面が増えてきます。この時期にバリアフリーリフォームを行うことで、自宅で安全に自立して生活できる環境を整えることが可能です。

また、この時期にリフォームを行うことで、将来介護が必要になった際にも対応しやすい住環境が整います。

子どもが独立したとき

子どもが独立し、家族構成が変わるタイミングもバリアフリーリフォームを検討するよい機会です。この時期は、住宅の間取りや使い方に大きな変化が生じることが多く、その際にバリアフリー化を進めておくことで、これからの生活にそなえることができます。

住み慣れた自宅で長く快適に過ごすために、この時期のバリアフリーリフォームはおすすめです。

住宅メンテナンスをするとき

住宅のメンテナンスを行うタイミングで、バリアフリーリフォームを一緒に検討することも効果的です。これにより、コストや工期を抑えつつ、安全で快適な住環境を整えることができます。

また、定期的なメンテナンスと同時にバリアフリー化を進めることで、住まいの寿命を延ばし、長期的な住環境の向上を図ることが可能です。

バリアフリーリフォームのポイント

バリアフリーリフォームを成功させるためには、いくつかのポイントを押さえておくことが重要です。こちらでは、具体的なポイントを紹介します。

動線を意識する

バリアフリーリフォームを行う際には、住まいの動線を意識することが非常に重要です。動線とは、人が生活するなかで移動する経路のことを指します。

動線がスムーズであれば、日常生活が楽になり、安全性も向上します。とくに頻繁に利用するリビング、キッチン、トイレなどの動線を短くすることを意識したリフォームが重要です。

ヒートショックを防ぐよう配慮する

ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が急激に変動し、心臓や脳に大きな負担がかかる現象です。これを防ぐためには、住まい全体の温度差を減らす必要があります。たとえば、浴室やトイレに暖房設備を設置し、冬場でも一定の温度を保つようにしましょう。

また、断熱性能の高い窓やドアを採用することで、外気温の影響を受けにくい快適な室内環境を実現することが可能です。こうした工夫により、ヒートショックのリスクを大幅に減らすことができます。

まとめ

バリアフリーリフォームは、高齢者や障がい者が安心して快適に暮らせる住環境を実現するための重要な取り組みです。主な工事内容には手すりの設置、段差の解消、滑りにくい床材の導入、ドアの引き戸化などがあります。リフォームを検討するタイミングとしては、将来を見据えて早めに行うことが大切です。

また、動線を意識し、ヒートショックを防ぐ配慮をすることが重要。これらのポイントを押さえた計画的なバリアフリーリフォームを通じて、誰もが安全で快適に暮らせる住まいを実現しましょう。

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